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現物買い+制度信用売り戦略

現物で株主優待がでる株を買いながら、信用取引(制度信用取引)で株を空売りする戦略となります。最も一般的な戦略となります。配当金を受け取ることはできませんが、株主優待だけを株の売買手数料(+1日分の貸株料)だけでゲットできます。ただし、逆日歩のリスクがあります。

基本的な考え方については「株主優待のタダ取りテクニック」をご覧下さい。

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現物買い+制度信用売り戦略とは

この戦略は、株主優待だけを無料でゲットする方法の中でも最も一般的な方法です。方法は色々なサイトで説明されています。

株主優待を無料で獲得する方法
株主優待をノーリスクでゲット

ここでの方法は以下のとおりです。

準備するもの

・現物株を購入できる証券口座
・信用取引口座を開設している証券口座
上記については同じ証券会社内でもかまいません。
・買付・空売り資金(同じ証券会社なら買付金額だけあれば十分)

実践方法

1.確認事項
まず、目当ての株主優待を提供している会社が「制度信用取引の対象銘柄」であるかどうかを確認しましょう。証券会社の銘柄ページなどで「貸借銘柄」などと書かれていれば対象銘柄です。(要するに、空売りができるかどうかのチェックです。空売りができなければこの戦略は利用できません)

2.両建ての開始
貸借銘柄であることを確認したら、その株式を購入します(現物買い)。そして、できれば同じ金額で空売りをします。注意するのは購入する株数と空売りをする株数を同じにすることです。
例えば、Aという株式を100円で1000株(10万円)現物株として購入し、100円で1000株空売りするわけです。(これを両建てと呼びます)
そして、権利付最終日までそのままのポジションを保ちます。当日が権利付最終日である場合が最も良いでしょう。(空売りによる金利が少なくて済むため)

3.ポジションの解消
権利落ち日以後、ポジションを解消します。現物としてもっている対象銘柄を売り、空売りしている銘柄を買い戻します。両建てしている両方のポジションを解消することになります。
これにより、現物買いによる「配当の受け取り+株主優待の権利獲得」と空売りによる「配当相当の支払い」を差し引く事で「株主優待の権利獲得」だけが残ることになります。

※売買手数料は考慮していませんがネット証券を利用すれば金額としては数百円程度です。

現物買い+制度信用売り戦略の重大なリスク

この戦略のリスクは「逆日歩リスク」です。実はこの戦略というものは前述の通り結構広まっている戦略なんですね。実際に多くの方が株主優待ゲットの為に使っています。

で、逆日歩リスクというものがどんなものかというと、そもそも「空売り」をするためには証券会社から「株券を借りて」その株を売っているわけです。じゃあ、その証券会社は株券をどうやって調達しているのかというと「証券金融会社」という、証券会社に株券や資金を融通する専門の会社があるんです。
しかし、空売りの申込数量が増えると、証券金融会社であっても必要な株券を調達できない場合があります。この時、証券金融会社はその会社の大株主などに「お金払うから株を貸して!」となるんです。

そして、その支払うお金は誰が負担するのかというと「空売りをしている投資家」が負担することになります。通常逆日歩の金額というものは、そこまで多くないのですが、人気の株主優待などで多くの投資家がこの戦略をとった場合、需給が大幅に逼迫して高額な逆日歩が発生するケースもあります。(参考:高額逆日歩の事例

このリスクをカバーする戦略が「現物買い+一般信用売り戦略」によるものです。

このテクニックについて

本手法は株式投資における「信用取引」を利用します。信用取引は取引のやり方によってはリスクの高い取引となります。「信用取引のリスク」「制度信用取引とは」などの解説サイトをご覧になったうえでリスクを理解してお取引下さい。
本手法を用いて発生する全ての損害については自己責任でお願いいたします。

 

株主優待生活のために活用したいネット証券

株主優待をより効率的にゲットするためのおすすめの証券会社を紹介します。
株主優待のための証券会社の選び方のポイントは「株主優待におすすめな証券会社比較」をご覧ください。

関連情報

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貸借銘柄とは
証券取引所による銘柄指定のひとつで、制度信用取引において空売りが可能とされている銘柄のことをさす。

両建てとは
買いと売りの両方のポジションを持つ事で、マーケット(価格)に対して中立になっている状態のこと。つなぎ売りと呼ばれることもある。

証券金融会社とは
証券会社に空売り用の株券や信用買いのための資金を貸し付ける会社。

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逆日歩(品貸料)が発生するメカニズムとしくみについて解説。

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